正座のように膝を深く曲げた時や、膝を曲げた状態から立ち上がる時、又は階段を降りる時に
感じる膝の痛みについて、気になっている方はいないでしょうか。
実はそんな辛い痛みも、セルフケアによって自分で治せる可能性があります。
これからお伝えするセルフケアは、臨床上でも多くの場面で使用する方法ですので、
多くの方に有効な手段です。
本記事では膝を曲げた時、又は膝を曲げた状態から伸ばした時、階段を降りる際の痛みを楽にするセルフケアについて解説していきます。
あなたの痛みの原因が、これからお伝えする内容に一致するのであれば、以下のセルフケアを実践することで、膝の痛みは消失していきます。痛みに悩んでいる方はぜひ実践してみてください。
膝を曲げた時や、曲げた状態から立ち上がる時、階段を降りる時の痛みの原因3選
お皿回りの脂肪(膝蓋下脂肪体)の固さ
まず1つ目の痛みの原因は、前回の記事でも取り上げた膝蓋下脂肪体です。
詳細についてはこちらの記事を参照いただければと思います。
この脂肪が固くなると、膝を曲げることが難しくなることに加え、膝の曲げ伸ばしや階段を降りる際に、膝前方や内側に痛みを感じるようになります。
大腿骨の前にある脂肪(大腿骨前脂肪体)の固さ
2つ目の痛みの原因は、大腿骨の遠位部(膝のお皿直近)深層の脂肪です。(以下大腿骨前脂肪体)
大腿骨前脂肪体と聞くと少し難しい内容に思えますが、単純に大腿骨の前にある脂肪のことです。

「出典:Gray, Henry. 1918.Anatomy of the Human Body,20th ed. Public Domain
http://www.bartleby.com/107/」
赤丸のあたりが該当となりますが、この脂肪は本来、膝を深く曲げる時に潰れる柔らかさをもっているのですが、固くなると潰れなくなり膝が曲がらない、又は痛みを生じさせる原因となります。
膝を曲げる際に痛みがある場合、この脂肪が問題になっていることも少なくありません。
太ももの前の深層にある筋肉(以下中間広筋)の固さ
中間広筋は太ももの前の筋肉の一番深い筋肉ですが、この筋肉は先ほどの大腿骨前脂肪体と
関連があり、どちらかが固くなるともう一方の動きに制限をかけます。
このことから、両方の組織の柔らかさが保たれていることが重要となります。
あなたの膝の痛みの原因は?自分でできるセルフチェックとセルフケア
膝蓋下脂肪体
膝蓋下脂肪体のセルフチェックとセルフケアについては、前記事を参照ください。
大腿骨前脂肪体・中間広筋

膝を伸ばした状態で、膝のお皿の真上の深層組織を掴んで上に引き上げます。
ポイントは大腿骨に沿うように組織を掴んで引き上げることです。
一般の方が的確にこの脂肪を掴むのは非常に困難で、中間広筋も一緒に動かすことになりますが、”何となく”でも効果があるので行ってみてください。
10回程度行ったら、痛みを感じていた動作を行い、痛みの増減を確認します。
痛みが減少していれば、大腿骨前脂肪体や中間広筋の固さが痛みに関わっていると考えられますので、さらに20回行うようにしましょう。
中間広筋・外側広筋

片膝を曲げた状態で両手で太ももを挟み込むように圧迫をかけ、そのまま左右に動かします。
ポイントは圧迫をかけたまま行うことで、皮膚などの表層組織を動かすのではなく、強めに圧迫をかけて深層の筋肉を動かすようにします。
20秒ほど行ったら、このチェックをする前に痛みを感じていた動作を行って、痛みの増減を確認します。
痛みが減少していれば、太ももの深層にある筋肉の固さが痛みに関連していたと考えられますので、更に30秒ほど続けます。
ちなみにですが、この方法は太ももの外側の深層にある筋肉(外側広筋)の固さも改善しますので、膝の外側に痛みを感じる方にも有効です。
上記2つのセルフケアを行ったら、前記事でも紹介した膝伸ばし運動を行うとより効果的です。
ぜひ行ってみてください。
まとめ
この記事では膝を深く曲げた時や、階段を降りる時に感じる痛みの原因、またその原因に対する
セルフチェックやセルフケアについて解説しました。
これらの組織は初期に対応すれば自分で治すことも可能ですが、放っておけばおくほど治すことが困難になっていきます。
あなたの膝の痛みが大腿骨前脂肪体や中間広筋によるものであるならば、今すぐこの記事で解説しているセルフケアを行っていただき、痛みとは無縁の生活を送っていただければと思います。


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