突然の膝や腰の痛みで、整形外科を受診したほうが良いのか悩むこともありますよね。
激痛であれば受診することに迷いはないと思いますが、我慢できそうな痛みの場合には
尚更悩むのではないでしょうか。
そのような時に、一定の知識があれば、誰でも受診すべきかどうかを判断することができるように
なります。
本当はすぐに受診したほうが良いのに我慢をした結果、中々良くならないこともありますので、
膝や腰に痛みを感じている方はぜひ参考にしていただければと思います。
本記事を読むことで、受診の適切なタイミングが分かり、重篤な疾患の早期発見や、痛みの長期化を
予防することが出来ますよ。
今すぐ受診すべき4つの症状
今すぐ受診すべき症状は下記の4つの症状となります。
1.がん(悪性新生物)による痛みの可能性がある症状
腰痛に加えて体重減少や発熱、夜間痛がある場合や、楽な姿勢が無い、何をしても痛みを感じる
という方、これらの症状に加えて年齢が50歳以上、がんの既往がある場合はがん(悪性新生物)の
可能性が高まりますので、早急に受診することをおすすめします。
2.神経症状を併発している可能性がある症状
腰痛に加えて筋力低下や感覚障害を併発している方は早急に受診することをおすすめします。
腰痛に加えて神経症状が出現する疾患の代表としては、腰部椎間板ヘルニアが挙げられますが、
自分でできる簡単な検査として下記の3つの検査をおすすめします。
- つま先を挙げて歩くことができるか
- 踵を挙げて歩くことぎできるか
- 左右の腿(もも)から脛(すね)、脛(すね)から足まで同時に触って、感覚の違いはないか確認します
「元々、踵又はつま先立ちでどれくらい歩けたか分からない」ということを防ぐために、症状の無い方もこの機会に試してみましょう。
出来れば誰かに歩きを見てもらって、踵又はつま先がしっかりと挙がっているか確認してもらうと良いでしょう。腰椎椎間板ヘルニアは片側に異常が出る場合と、両側に症状が出る場合があります。
明らかにつま先又は踵が挙がらない、触った感覚があまり感じられないなどの症状があれば、早急に
受診してださい。
3.内臓疾患による痛みの可能性がある症状
腰痛の中でも、がんを除いた内臓疾患で多いのは、尿路結石による腰痛が挙げられます。
「おしっこをする時に腰が痛い」という症状がある方はすぐに受診してください。
また腰痛に加えて腹痛や吐き気がある場合には、消化器系の疾患の可能性がありますので早急に
受診をしてください。
4.骨折や筋肉、靭帯の損傷が疑われる症状
強い炎症・多量の内出血が強く見られるなどの症状がある場合には、骨折や筋・靭帯の損傷が疑われますので、早急に受診することをおすすめします。このような時は固定や安静が必要になりますが、ここでムリをすると、痛みが長期化して、難治性の症状になることがあります。
炎症症状があるかどうかの見分け方は下記の4点です。
- 安静にしていても痛みを感じる
- 痛みのある部位に赤みが見られる
- 痛みがある部位に腫れが見られる
- 痛みのある部位が熱をもっている
ポイントは痛みがない側と比べることで、熱を持っているか判断する時は、「手のひら」で温度を感じるのではなく、「手の甲」で熱をもっているか確認すると良いでしょう。
上記4つの炎症所見が強く見られた場合には、炎症が生じている可能性が極めて高いので、受診を
おすすめします。
骨折がなくても靭帯や筋肉の断裂などの可能性が高まりますので、整形外科医に診断してもらうと
良いでしょう。
明らかに変形が見られる場合や、我慢出来ない痛み、強い腫れが見られれば受診することに迷いはないかと思いますが、骨粗鬆症による脊椎の圧迫骨折ではそれほど強い痛みが生じないことも多く見られます。転倒や重いものを持ち上げた後から、背部や腰に痛みを感じるようになった場合には、直ぐに受診することをおすすめします。
がん(悪性新生物)でも少し触れましたが、「どの姿勢をとっても痛みが変わらない」「昼夜問わず痛みを感じる」という場合には、重篤な疾患が潜んでいる可能性がありますので、早急に受診をしたほうが良いでしょう。
年齢によっては、早急に受診をしたほうが良い症状
身体を前に倒した時や反らした時に腰が痛む場合、筋肉や筋肉の周囲組織(脂肪等)の固さが原因となっていることも多いですが、下記の年齢や条件に当てはまる場合には、骨折による痛みが生じているケースが多く見られます。
1.成長期の子ども
成長期の子どもが、身体を反らしたり捻ったりした時に腰痛がある場合、腰椎分離症の可能性がありますので、早急に受診することをオススメします。特に股関節が固い子どもがサッカーを頻繁にやっている場合は、キック動作の際に股関節の動きを腰椎が代償するため、未発達な腰椎が分離する可能性が高まります。
2.ご高齢の方・骨粗鬆症を発症している方
ご高齢の方や骨粗鬆症を発症している方で、身体を前に倒した時や反らした時、捻った時に腰が痛む場合、脊椎の圧迫骨折を引き起こしている可能性がありますので、早急に受診をオススメします。
ご高齢の方だけでなく、若い女性の方でも産後で骨密度が低下していることがありますので注意が必要です。圧迫骨折が生じているにも関わらずムリに動くと、腰椎が潰れていきますので、円背(背中や腰が丸るくなる)になったり、その結果として歩行能力の低下や転倒を招く恐れがあります。
自身でストレッチなどをして経過を見ても良いと思われる症状
下記の2つの症状は、セルフケアでも改善していく可能性があるため、経過を見て受診することをおすすめします。
1.お風呂に入ったら楽になる
お風呂に入ったら痛みが楽になる場合、筋肉の緊張が高いことや、筋肉周囲の組織(脂肪など)が固い
ことで痛みが生じていると考えられます。このような場合は、筋肉や筋肉周囲の組織(脂肪など)の固さを改善させるセルフケアなどをして、経過を見るのが良いでしょう。
2.動き始めだけが痛い
動き始めだけ痛みを感じることは、膝・腰ともに多く見られる症状です。このような場合、原因の
多くが筋肉や周囲の組織(脂肪や疎性結合組織)の動きが固くなっていることに起因していますので、
原因組織を柔らかくするセルフケアをすることで痛みは消失していくことが多いです。
上記2点のように、筋肉や靭帯などの損傷による痛みではない場合、下記の3点が痛みの原因になっていることが多いです。
- 痛みを感じている組織周囲が固い
- 痛みを感じる組織の反対側が固い
- 動作を行う際に、支えるべき筋肉が弱い
これら3点が原因の場合、痛み止めや電気治療では治らないことが多いので、原因に応じた介入が
必要となります。
上記3点はセルフケアや筋力トレーニングで改善することが多いので、今後投稿する別記事をご参照ください。
まとめ
この記事では、今すぐ受診したほうが良い症状と、年齢によっては早急に受診をしたほうが良い症状、セルフケアなどをして経過を見たほうが良い症状を解説をしました。
あなたの症状がどの分類に当てはまるのかご参照いただき、重篤な疾患の早期発見や、痛みの長期化を予防することに繋がれば幸いです。
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